菅野まり子・浅野信二 二人展のご案内です。是非お出かけ下さい。

exhibition

心宮逍遙 Ink in the Well
菅野まり子・浅野信二

2020.10.11 sun ~20tue

初台 Gallery Zzroff 企画

開廊 13:00 ― 閉廊 19:00 最終日 閉廊 17:00
休廊 水曜日 (10月14日)

*なおコロナ対応のため、営業時間が変更になることもございます。
 お運び前に、Zaroff Web siteにて、ご確認下さい。

 

1階 カフェでは、瀟湘八景図を遠く追いかけるように、あるいはそれらに対応して表層の内部で測量された、浅野信二の、和紙に墨、インクよる『景図』連作を展開。
2階ギャラリーでは、菅野まり子が、2016年Zaroff『ミメーシス』展より漆黒を背景に描き進めてきた『十牛図』タブロを完結させる。

 

浅野信二 作品 

《2019年作参考出品作品より》

 

《2020年新作出品作品より》

 
 
 

菅野まり子 作品

2016年 Gallery Zzroff 『ミメーシス』出品作品より

FootprintsCatching the BullRiding the Bull Home

 

* 菅野まり子出品作品お求めの方に10月下旬刊行予定の《詩畫牌? CARTAE AERIAE》複製版を謹呈させて戴きます。詳細は、ギャラリーてにお尋ね下さい。

 
 

心宮逍遙 ーInk in the Well  菅野まり子

 禅修行の階梯を絵図と詩文で表す『十牛図』は、牧象図、六牛図など前例、異例の変遷を経つつ、12世紀北宋の禅僧郭庵(かくあん)の頌(じゅ)に弟子の慈遠(じおん)が序を添えたものが広まり、禅思想を教える入門書となりました。残存する作例はあまり多くないものの、室町中期の画僧周文が描いたと伝えられる相国寺蔵版は、座禅を組んだことすらない門外漢でも、詩文の余韻に浸りつつ画を鑑賞するだけで禅味に触れるものがあり、大変美しいものです。

 〈牛〉に象徴される何かしら大切なものを失っていると気づくことから、牧童の旅は始まります。暗闇の中、手探りで進んでいくと牛の足跡を見つけ、さらに深山に分け行ります。すると、今度は牛の姿がチラリと見える。それからは夢中で追いかけて格闘し、暴れる牛を手名付けて一心同体の絆を結び連れ帰るわけですが、家に戻ると大切だったはずの〈牛〉は消えています。〈牛〉を尋ねる旅はここで完了し、童子は心澄ませて座し、満月のように明らかな円相の境地に達します。“修”の過程は、次のステージである人牛倶忘(人も牛もともに忘れる)が到達点のように見えますが、「十牛図」ではこれが終わりではなく、“行”の過程へとむかいます。最後の図では布袋に象徴される風狂が、暗い道をそれと知らず歩む牧童に出会うことから、他の旅の始まりへと円環するように思われます。

 とある茶席で『十牛図』のことを知って以来、西洋のドヴィーズやエンブレムと遠く通じる詩と画の協働に強く惹かれ、ザロフでの「ミメーシス」展(2016)で、『見跡』、『牧牛』、『騎牛帰家』の三作を、「月に叢雲, 花に嵐」展(2017)で『忘牛存人』を発表しました。この度、それらに他の図を加え、10枚全てを揃えました。

 展覧会タイトルの〈心宮〉とは北村透谷の『各人心宮内の秘宮』という文章で開陳されている言葉です。各人がそれぞれ心のうちに秘めている踏み入り難い領分を、蟲を追って山にわけいる子どものような好奇心でもって逍遙していただけたらと思います。そして、心宮の井戸から大海に到るまで湧き出づる〈詩人の血〉によって描かれる、浅野信二氏の八景図と共振し、内奥の一点へと向かう個の旅が、茫漠たる無限世界へ転回しえたらと願います。

 
 
 

 

画廊 珈琲 Zaroff(ザロフ)

〒151-0061 東京都渋谷区初台1-11-9 五差路
電話: 03-6322-9032

開廊時間:open 12:30 - close 20:00(画廊), 21:00(喫茶店)
休廊日:毎週水曜

最寄り駅:京王新線・初台駅 → 中央口改札を出る → (甲州街道)南口の階段を登り右へ → 商店街を進みセブンイレブン角を右折し徒歩1分

 



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