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Jul 2010
Posted in Blog, Monologue by arbor inversa at 12:00 am | No Comments »

"ここに働かざりし両手あり"
取るに足らない
いのちの枝葉(えだは)
花の下 擦れ違う人々の
流れに漂う 紙の二片(ふたひら)

 

耐え難き星々の輝きよ
責め立てる一つ眼より
さらに眩く 冷たく
この悴(かじか)んだ肉体を
俎上でついばむものらよ

 

ここに燃え上がる両手あり
爛(ただ)れた無為と
鈍色(にぶいろ)の痛み
床(とこ)に根付いた諦念は
皓々と 先を照らし行く

 

渇きではなく充たすため
樹液に群がる
黄金虫(こがねむし)らの
木々の陰 陽(ひ)を集め行(ゆ)く
遠い叡智をふり仰ぐ



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